アパレルのカタログや広告制作を担当する若手バイヤーのYが、初めて開発から携わった思い入れのある「通販限定・カナナリュック」。
カナナプロジェクトのリュックはすでにココチモで人気の商品ですが、お客様のご要望を受け“通販限定版”を作るプロジェクトが立ち上がりました。彼女はこのプロジェクトで、日常でも旅先でも、より使いやすい機能を追加した新カナナリュックを誕生させたのです。
初めての開発は、人気商品の新シリーズ
女性アパレル部門でカタログや広告制作に日々情熱を注いでいる若手バイヤーのYが、初めて開発から関わることになったのが「通販限定・カナナリュック」。大人気シリーズとして知られるこのリュックを、アパレルチームの先輩2人と一緒に、よりココチモのお客様に合うようなリュックへと進化させることになりました。
「初めての開発だったので、とにかくお客様に喜んでもらえるようなリュックを作りたいと思いました」と緊張した面持ちで話すYが、まず行ったのはお客様の声に向き合うことでした。
お客様からいただくハガキに書かれた「これがあったらいいな」のお声をもとに研究を重ねました。
アパレルチームはチームワークが抜群。なんでも先輩に相談しながら業務に取り組みます。
ココチモには、毎日のようにお客様からたくさんのハガキが届きます。従来のカナナに関するハガキも多く
「A4サイズの雑誌がすっぽり収まるといいな」
「機能的で上品なデザインであればうれしい」
「どんな服装にも合うリュック」
「レストランにも持っていきたい」
「軽くて丈夫」
「見た目は小さくても大容量」
などお客様の要望の多様さにびっくりしつつ、Yは寄せてくれた意見をひとつでも無駄にしたくないと強く思いました。
お客様の声をもとにデザイン面は、どんな服装にも合い、レストランでも気後れしないような上品さを。機能面は大容量で、かつ軽くて丈夫なことを重点に、大人の女性がどんな場面でも持ちやすいエレガントなリュックを目指しました。
何度も話し合い試行錯誤を経て、本モデルのデザインはリュックの形をスクエアに近づけ、すっきりした印象に。生地は、高級感とエレガントさを出すために、光を反射してつややかな光沢を見せる素材を選びました。
手荷物の置き場所に困らなくなりました!
「商品を開発するときには、具体的なシーンを想定し、さらに使う人のことも具体的にイメージするといい」と先輩にアドバイスをもらい、Yは考えました。
彼女は、お客様からのハガキを読んでいると「バスツアーに参加した」という話がよくあることに注目しました。近年、日帰りバスツアーを利用する人が増加しているというデータもあります。これらをもとに、本モデルはバス旅行を想定することにしました。
新たなカナナリュックを実際に作ってくれるのは、カナナプロジェクトのバッグ全般を製作している鞄メーカー最大手のエースさん。「私が携わるずっと前から歴史があり、エースさんとの良好な関係があったからこそ私も楽しく、さまざまなことを学びながらプロジェクトに参加することができました。」とYは言います。
プロジェクトチームは、バス旅行を念頭に使いやすさを追求すべく打ち合わせを重ねました。
母とバス旅行をした鹿児島での1枚。よく一緒に旅行をする仲良し母娘。バッグや服の貸し借りは自然のことで、カナナリュックも2人で使っています。
たとえば、バス旅行では、車内で手荷物の置き場所に困ることがあります。
「手荷物を膝の上にずっと乗せておくのは疲れてしまうし、網棚の上に乗せるのは不安。床に置くのは汚れそう……。そんなときに、どこか置ける場所がないか?」と。そして、できあがったのが「取り外し可能な持ち手ハンドル」です。この持ち手ハンドルを使えば、前の席の手すりにリュックをかけておくことができるので、負担なく手元に置けるようになるのです。
Yは、「実際に母と参加した鹿児島市内をめぐるバスツアーの旅行でこの機能を使ってみましたが、とても便利でした! 置き場所に困らず、必要なものをすぐに取り出しやすかったです」と使いやすさを力説してくれました。
旅先では、長時間背負うこともあるリュックは、フィットしないと疲れやすくなります。本モデルには「ヒップホールド」という、腰回りを優しくホールドしてリュックの横揺れを軽減する機能を追加。体にフィットするので、長時間リュックを背負っていても負担を感じません。
取り外しできる持ち手ハンドルなら、バスの前の席の手すりにかけられます。
背面ポケットの中には、新幹線のチケットや細かいものを入れるのにピッタリなポケットを追加しています。
光沢感のあるナイロン素材の生地には、撥水加工を施しています。
“リュックのなかでモノが迷子”が解消されるんです。
多くの人が一度は経験したことがあるであろう、“カバンの中でモノが迷子になる”事態。「バッグの中の整理が苦手で(苦笑)。旅行に行くと、改札前で新幹線の切符をどこにしまったんだっけ? と慌てることがよくあります」と、Yも身に覚えがあるそう。
そんな困りごとにも細やかな配慮をしました。もともと収納力が魅力のカナナリュックですが、本モデルには大きなポケット5つと小さなポケット6つを用意。“モノが迷子”にならないために、ポケットは収納するモノを想定して作っています。
たとえば、背面ポケットには、新幹線の切符がちょうど入る小さなポケットを追加しました。常に、このポケットにチケットを入れるようにしておけば、どこにしまったのかわからなくなることはありません。また、上段のポケットの内側には、衝撃を吸収するウレタンパッドを追加したことで、スマートフォンや携帯など壊れやすいモノを入れられるようにしました。さらに、ペットボトル専用のポケットは横から出し入れができるので、ほかの持ち物が濡れる心配もありません。
吟味を重ねて選んだ3色。通販限定モデルは、カナナの定番色「オレンジ」と人気のある「ブラウン」、スマートな印象の「ネイビー」を用意しました。
こうして、新モデルはよりココチモのお客様に使いやすい機能とエレガントなデザインに改良されました。「初めての開発で、お客様の要望に耳を傾け、イメージして、形にする難しさを学びました。細かい部分までこだわったことで、今の最高傑作だと胸を張ってお届けできます」と、Yはトレードマークの笑顔で話します。
※記事の内容は取材当時(2021年)のものです